【No.02】日本の森林と研修参加にあたり

森林から日本を見てみると。

日本の国土面積(378000km2)に対して森林面積は、約250000km2つまり国土の約70%が森林です。

世界から森林率を見てみると。

アジア 森林率19% 北中米 33% ヨーロッパ 45% アフリカ 23% オセアニア 23% 南米 49%

世界平均 31% です。

以上から、いかに日本が森林大国かがわかります。

ちなみに、森林率 TOP5。 第1位 フィンランド 73% 第2位 日本 70% 第3位 スウェーデン 68.5%

第4位 韓国 63% 第5位 ロシア 50% です。

日本って世界から見ても森林が多い国ですね。

森林の内訳を見ます。

25000km2ある内、13000km2は広葉樹主体の天然林で、10000km2はスギ・ヒノキから成る人工林です。

明るく美しい広葉樹主体の天然林と木材利用のための人工林と半々というところでしょうか。

森林があることでの効果・役割はどうでしょか。

一般に森林は、炭素固定・貯蔵、気象緩和、水源保全、土壌保全、生物多様性、木材利用、またそこら雇用を生み出す経済効果

など様々な効果と役割があります。

日本の食料自給率40%ならぬ木材自給率はどうでしょうか。

こんなにも、森林がある日本ですが、木材自給率は30%(2012年)です。

食料も木材も外国に頼っているようです。

 

第二次世界大戦の1940年頃、過剰な伐採と兵役のため労力が欠乏。伐採跡地は放置されたままに。

終戦、戦後復興のため、住宅復旧などの資材、薪、炭の需要が増大。

1960年頃の高度経済成長に伴い、木材需要は増大し続け、それによる木材価格の高騰により、人工林は若くても伐られ、

天然林は過剰に伐採、その跡地に人工林が拡大していきました。

1990年頃には、木材供給量が増大していくはずだったが、外材やその他の資材に押されたこと。

薪や炭から、石油へとエネルギー事情・生活様式の変化、森林労働者の高齢・不足などから、森林放置

(森林面積に対し木材自給率30%と低い状況が続いている)が進み今がある。

 

せっかく豊かな自然・森林が日本にはあるのだから、活かせればのにとは思うのだが。

何故、森林を放っておいてはダメなのか。

まず、スギ・ヒノキの人工林の場合、間伐しないとひょろ長い木が多く売り物にならない。

細長い木は、根系が浅く支持力の乏しい木となる。支持力が低いので、土壌が流れやすく豪雨時など

表層崩壊を招く。

また、林床が暗いため、下草植生が乏しくなる。これも土壌流出は招く。

クヌギ・コナラの雑木林も、放置しておくと、ナラ枯れが起こりやすくなり、その地帯すべて枯れてしまうかもしれない。

森林は、一度人が手を入れてしまったら、継続的に手をいれ続けなければならない。

スギ・ヒノキは住宅などの構造材として、広葉樹などは内装材や家具材などに利用したい。

その木材を利用するなかで、林床が豊かになり生物多様性が生まれ、その空間で環境学習が出来る。

人は自然の中で感受性や想像力を養われる。

工業化社会は人工的で便利かもしれないが、都市だけで国が成り立つものではないと思う。

 

自然再生(士)は、人と自然を結びつけるコーディネーターの役割があると思う。

この研修では、なるべく実践を重視するが、参加された各自が出会った自然(場)の特徴と魅力を発見し

周りの人を巻き込み、継続して魅力ある場の創出に努力する技術と心そして仲間づくりを目指します。

 

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