自然と人工

突然ですが、“自然”と”人工”の違いって何でしょう。

これは、私がこの仕事を始めてずっと気になっていたテーマのひとつです。

皆さんも、もしかしたらそんなことを考えたことはあるかもしれません。

今回はその自然と人工について私なりに考察しました。
少し哲学的になるかもしれませんがどうぞお付き合いください。

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“自然”と”人工”について


まず、自然を思い浮かべるなら、木や、石、山、海、川、虫、花などをイメージするかもしれません。

それに対して人工は、人間が作ったもの→車、都会のビル、家、コップ、機械などなど。


しかし、田んぼどうでしょう。
人が整地をし、そこに水を流し、作物を育てます。
その田んぼには、カエルやタニシなどの生物が住み着きます。
そこにあるのは、自然でしょうか?人工物でしょうか?

それでは、これはどうでしょうか。
人間が作った家は人工物
蜘蛛が作った蜘蛛の巣は自然?
この違いは何でしょうか。

寂れた建物の壁に、ツタが這うように覆い、経年変化のヒビや、錆びで朽ちているのを見ると、その境界線はどこなのだろうと感じます。



このように考えていくと、その違いをつくっているのは、人の意識のような気がします。

自然も人工物も、時間的、空間的に、混ざり合い、濃淡が変わり流動し続けます。



そもそも「自然(シゼン)」という言葉は明治時代までなかったようです。
西洋の“nature”の訳語から、自然(シゼン)という言葉が定着したようです。
それまでの日本では自然を(ジネン)という呼び方で捉えていました。


自然(ジネン)とは、”自ずから然らしむ”ということです。
まさに、そのまま、あるがままの状態のことです。


つまり、人間と自然を二項対立する西洋的な考え方ではなく、人間もその一部となりうるという思想です。

「森羅万象」という言葉もその思想のひとつでしょうか。


人間と自然、人工物と自然、という分別ではなく、人間(人工物)もそのなかの一部であると考えると、あるべき姿が見えてくるような気がしました。

【ブログ担当:加藤】

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